蹴鞠

 「おい、また始まったよ」
 つぶやいたのは右大臣。
 雛飾りの人形たちが見下ろす先で、裸の男女が激しく絡み合っております。
 「今夜も子作りにいそしんでおるなぁ」と左大臣。
 「冗談じゃないわよ、ひな壇を蹴飛ばしそうで気が気じゃないわ」と三人官女たち。
 すると、最上段にすわっていたお内裏様がすっくと立ち上がったのです。じつはお内裏様は蹴鞠の名手。どんなものでも百発百中でシュートできるのでした。

 ぽーん

 「痛てっ」
 「どうしたの?」
 「何か落ちてきた」
 夫婦が電気をつけると、枕元に雛飾りのぼんぼりが落ちていました。




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