「前略 親友のお前には心配をかけた。
 街の暮らしには疲れたよ。仕事仕事仕事。気づけば道ゆく女性にもときめかなくなっていた。だから何もかも捨てて、遠い異国の島へやって来たんだ。おっと、これはおとといの手紙にも書いたっけな。
 筆無精のオレが筆まめになったので驚いているだろう。理由があるんだ。今、ある女性にときめきを感じている。いつかデートに誘いたい。今度お前が遊びに来る頃には彼女を紹介できるかもしれない。楽しみにしていてくれ。草々」

 書きなぐった絵葉書を、オレは窓口に差し出した。郵便局員はオレの顔を覚えてくれたらしく、またあなたですか、と笑った。

 お国が恋しいんでしょう、というようなことを言っている。そのくらいの英語ならオレにもわかる。

 「そうじゃないよ、君が恋しいんだ。」

 オレは心の中でそうつぶやきながら、その美しい郵便局員にウインクした。

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